政府は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類について、今春にも季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げる方針を固めた。岸田文雄首相や加藤勝信厚生労働相らが20日に協議し、表明する見通しだ。マスクの着用についても緩和する方向で検討する。
移行時期は、自治体や医療機関の準備に配慮し、4~5月ごろとする案が浮上しているが、流行中の「第8波」で死者数が過去最多を更新していることから感染状況を見極めながら判断する。
感染症法では、感染力や重篤度を勘案し、新型コロナを「新型インフルエンザ等感染症」と分類している。入院勧告や外出自粛の要請などが可能で、1~5類のうち2番目に厳しい「2類相当」とされている。
5類に移行すると、入院勧告などはできず、原則7日間としている感染者の待機期間などもなくなる。緊急事態宣言を発令することができる新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象外になるため、同法に基づく行動制限もなくなる。
ただ、5類になると治療や検査、入院にかかる医療費を公費負担する法的根拠を失い、自己負担(1~3割)が発生する。コロナ治療薬は高額のため、治療が必要な患者の受診控えにつながる可能性もある。このため、公費負担の一部は特例的に継続し、段階的に廃止する方向だ。今後、厚労省の審議会などで具体的な制度設計などが議論される見通しだ。
また、屋内では着用が求められているマスクについては、症状がある場合や高齢者ら感染対策が必要な人以外は原則不要とする方向だ。厚労省は現在、屋外での着用を原則不要としているが、屋内で距離が確保できず、会話をする時は着用を求めている。【神足俊輔】