死者58人、行方不明者5人を出した、2014年9月の御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火から5年を迎えた27日、ふもとの長野県王滝村で追悼式が開かれた。噴火時刻の午前11時52分に合わせ、遺族や行方不明者家族、生還者らが黙とうをささげた。
遺族を代表して、一人息子の啓光(ひろみつ)さん(当時37歳)を亡くした高木能成(よしなり)さん(71)=長野県南箕輪村=が「悲しみは減ることはない。安心、安全のための提言を続けていく。それが犠牲者への弔いであり、進むべき道だと信じる」と追悼の言葉を述べた。
夫保男さん(当時54歳)を亡くした伊藤ひろ美さん(58)=長野県東御市=は、姉とともに遺族会「山びこの会」の活動に携わっている。「苦しいこと、大変なことを積み重ねて5年たった。残された者として、この噴火を世の中にどう伝え、登山者の減災につなげるか。そうしないと亡くなった人は浮かばれない」と語った。
御嶽山の火口半径1キロ圏内で立ち入り規制が続くが、山頂の剣ケ峰(木曽町)では昨年9、10月の13日間、一部緩和されて入山が許可された。今年は7月1日から緩和され、10月16日まで山頂へ登ることができる。剣ケ峰の南側にある王滝頂上(2936メートル、王滝村)への立ち入りは、同村が9月中の緩和を目指していたが、安全対策工事が遅れている。【小川直樹】