「ルフィ」ら拘束のフィリピン、以前から日本人の逃亡先や犯罪拠点に

【マニラ=安田信介】フィリピンは、以前から日本人の逃亡先や犯罪の拠点になってきた。
比入管当局は今月9日、窃盗や詐欺の容疑で東京簡裁から逮捕状が出ていた20歳代の女をマニラ近郊で拘束。17日には、強盗や恐喝の容疑で指名手配されていた40歳代の男の身柄を中部イロイロ州で確保している。
過去には、違法にコピーした漫画が読める海賊版サイト「漫画村」の元運営者や、住宅大手「積水ハウス」が巨額の詐欺被害に遭った地面師グループの主導役もフィリピンで拘束された。2019年には、「ルフィ」の可能性がある渡辺優樹容疑者らが統括していたとされる特殊詐欺グループがマニラ近郊の廃ホテルで摘発され、日本人の男36人が逮捕された。
こうした背景について、マニラ郊外に住んで6年になる日本人の会社員女性(33)は「フィリピンではルールから外れても頼み込めば何とかなったり、身分証などのチェックが甘かったりすることがある。他人を気にしない個人主義な国民性も犯罪者には好都合かもしれない」と話す。東南アジアの外交筋は「日本から5時間程度で行ける近さも大きいのではないか」と指摘した。