陸上自衛隊は1日、立川飛行場(東京都)に輸送機V22オスプレイを飛来させる訓練を初めて行った。オスプレイはヘリコプターのような垂直離着陸に加え、固定翼機のような長距離飛行ができるが、米軍で墜落などのトラブルが相次いでいる。周辺自治体で不安が拭われない中での訓練の実施に、抗議の声が上がった。
午前11時ごろ、木更津駐屯地(千葉県木更津市)のオスプレイ1機が立川飛行場に飛来。東側から北側に回り込んで進入、滑走路上で離着陸などの訓練を行い、東側を周回して再び同様の訓練を繰り返し、計15分ほどで飛び去った。
北関東防衛局によると、立川飛行場での訓練は、大規模災害時の緊急輸送やパイロットの習熟が目的で、飛来頻度は月数回程度としている。今後の飛来は、地上からのレーザー光線の照射の防止などを理由に事前の情報提供をしない方針だ。
立川駐屯地の正門前では、立川市と国立市などで活動する五つの市民団体が抗議集会を開いた。このうち「砂川平和ひろば」を主宰する福島京子さん(73)は「(周辺の8市に)100万人が住む頭上での訓練は人権を無視している。この住宅地、日本の空に飛ばすことを決して私たちは許さない」と訴えた。
防衛省は陸自向けに米国からオスプレイ17機を調達予定で、これまでに木更津駐屯地に11機を暫定配備している。佐賀空港(佐賀市)での配備を目指しているが、計画が実現していない。また、首都圏では米軍横田基地(福生市など)にはCV22オスプレイ6機が配備されている。【木村健二】