信者間で養子縁組が繰り返されていた問題で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は1日、厚生労働省の行政指導を受けて、教団発行の書籍で関連する記述を訂正したことを明らかにした。
教団広報部が取材に応じて明らかにしたが、具体的な訂正箇所は公表しなかった。教団の発行書籍では「両家で合意がなされたら、必ず家庭教育局に報告が必要」などとする記述があり、厚労省は「法人内であっせんが受けられると信者に解される懸念がある」と適切な記載を求める行政指導をしていた。
教団広報部は「(書籍は)信仰上の教義に基づいた内容だったが、養子縁組を誘発し、ふさわしくないということで、行政指導に従い訂正した」と説明した。厚労省は今後、内容を精査する。
2018年施行の養子縁組あっせん法では、事業を行う際は事前に都道府県知事らの審査・許可を受ける必要があるが、教団は無届けだった。教団側は組織的な関与は否定し、信者個人間の養子縁組だったと主張している。厚労省は法令違反の有無を確認する調査を継続しているが、個別ケースの実態がつかめず難航している。【小鍜冶孝志】