旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術や人工妊娠中絶を強制されたとして、熊本県内の2人が国にそれぞれ3300万円の損害賠償を求めた訴訟で、国は3日、国に計2200万円の賠償を命じた1月23日の熊本地裁判決を不服として福岡高裁に控訴した。
熊本地裁判決は、旧法を違憲と判断。不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用も認めず、同種訴訟の1審としては初めて国に損害賠償を命じた。厚生労働省は控訴理由を「法律上の解釈や適用について重大な問題を含んでいる」とした。
原告側の弁護団は国の控訴を受けて「大変残念。国の控訴理由書を確認次第、付帯控訴するか決めたい」とコメントした。【中村園子】