卒業式・入学式「マスクなし」検討…現在の中3や高3はコロナ禍で3年間の学校生活

新型コロナウイルス対策を巡り、今春の学校での卒業式や入学式をマスクなしで行えるよう政府が検討していることがわかった。文部科学省は専門家や学校現場の意見を踏まえ、早期に結論を出すが、マスクを外すことは強制せず、各自の判断に任せる方向で調整している。
文科省の学校向けの新型コロナ対策のマニュアルは、卒業式などの行事で「マスクの着用を含む、せきエチケットの推奨」をしている。文科省では「推奨」の見直しを検討している。
卒業式では、児童生徒らによる会話は少なく、コロナ禍で出席者の席を一定距離空けてマスクなしで実施した例もある。ただ、一斉に校歌を歌う場面もあり、「マスクなし」を認めるにあたり、マスク以外の感染対策の必要性も検討する。
政府は先月、新型コロナの分類を5月から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを決めた際、マスク着用は「個人の判断に委ねることを基本として検討する」としていた。永岡文部科学相も2日の衆院予算委員会でマスクの着用は「家庭の判断」によるとの考えを示している。
現在の中学3年や高校3年の生徒たちは3年間、コロナ禍で制約のある学校生活を過ごしてきた。国会などでマスクなしの卒業式を求める声が高まっていた。