大阪市に本社のある「田辺三菱製薬」は、新型コロナウイルスワクチンの開発などをしていたカナダの子会社「メディカゴ社」の全事業から撤退することを発表しました。 発表によりますと、バイオ医薬品会社のメディカゴ社は、新型コロナウイルスのVLPワクチンを開発、商用に向けて準備を進めていたということですが、新型コロナウイルスを取り巻く環境が大きく変化していて、ワクチンの世界的な需要や市場環境と、商用規模生産へ移行する課題などを包括的に検討した結果、商用化を断念したということです。 あわせてメディカゴ社の事業から撤退し、清算を進める事も決定したということです。 メディカゴ社が開発していたのは、成長が早いタバコ属の植物にウイルスの遺伝子を組み込み、生育した葉からワクチン成分を抽出する手法で、人に用いる植物由来のワクチンは世界初とされていました。 去年2月にカナダ政府から承認され、日本国内でも臨床試験が始められていました。