沖縄県内で統計上の2022年(21年10月~22年9月)に生まれた子どもの数は同期間に死亡した数より698人少なく、県が推計人口の統計を始めた1975年以来、初めて自然減となったことが分かった。2022年10月1日時点の県人口全体は推計で146万8634人で、転入などの社会増のため前年から108人増えた。県内の人口増は日本復帰した1972年から続いているが、伸び幅は50年間で最小となった。
関連記事
「南の島に住みたい」に本音で回答 移住6年で176人、沖縄・久米島が選ばれる理由 | ・・・ 続く人口減少を食い止めようと2016年から移住相談業務を始めた沖縄県の久米島町に、この6年で176人が移り住んだ・・・www.okinawatimes.co.jp
県が1月31日公表した「2022年人口移動報告年報」で明らかになった。
出生は前年から772人減り1万3974人、死亡は1323人増えて1万4672人だった。県統計課は自然減の背景を「少子化が続いており自然減は一定の予測はできたが、コロナ禍で高齢者の体力や気力に影響して死亡が大幅に増えた」と説明した。
41市町村のうち24市町村が自然減になり、自然動態の増減率は県全体はマイナス0.05%だった。減少率の最大はマイナス2.02%の渡名喜村で、期間中子どもは1人も生まれなかった。市部はマイナス0.03%。郡部マイナス0.10%。中でも国頭郡はマイナス0.79%で9町村全てが自然減になった。
関連記事
給食が新学期から異例のストップ…沖縄・渡名喜島、ようやく6月再開へ | アーカイブ記事・・・ 学校栄養職員(栄養士)の不在で新年度から給食の提供を停止している渡名喜小中学校(沖縄県渡名喜村)が、6月から給食・・・www.okinawatimes.co.jp
同年報以降も、22年10月から4カ月連続で自然減が続く。同課は「一過性なのかは見極めがいるが、劇的な出生の増加は考えづらい。今後を注視したい」とした。
人口移動報告年報は、国勢調査の基準日(10月1日)以降の県内人口を推計している。
(政経部・下地由実子)