総務省が7日発表した2022年の家計調査で、ラーメン(中華そば)の世帯当たり年間支出額(外食)で山形市が全国1位に返り咲いた。山形市は1万3196円で、2位の新潟市(1万2573円)とは623円差だった。2年ぶりの首位奪還に、地元のラーメン店主らは喜びを爆発させた。
「やった!」。午前8時半すぎ。山形市役所内に待機していた店主らに結果が伝えられると、抱き合って喜びを分かち合った。山形市内のラーメン店「麺辰」の店主、鈴木敏彦さん(46)は「何とか奪還できた。今年も1位がとれるように毎日頑張りたい」と笑顔を見せた。「城西金ちゃんラーメン」のオーナー、荒木英之さん(61)も「(21年は)2位に落ちてしまったことで、頑張ることができた」と振り返った。市役所に「祝 ラーメン消費量 日本一奪還」の横断幕が掲示されると、職員から拍手が起こった。
なぜ山形市はラーメン支出額が大きいのか。市山形ブランド推進課は、出前ラーメンで来客をもてなす風習がある▽市発祥の「冷やしラーメン」が人気で夏場も消費が落ちない▽しょうゆ、辛みそ、魚介系など多種多様な味があり飽きさせない――などを理由に挙げる。また、そば店でもラーメンを提供する店舗が多いのも山形の特徴だ。
こうした事情から、県庁所在地と政令市を対象とする家計調査で、山形市は20年まで8年連続で1位を守ってきた。ところが21年は新潟市にわずか300円差で逆転を許し、トップを明け渡した。
9年ぶりの陥落に危機感を覚えた地元の店主らは昨年、「『ラーメンの聖地、山形市』を創る協議会」を設立。市内のラーメン店に協議会への参加を呼びかけ、加盟は約100店舗にまで増えた。地域PRに向けて、店の垣根を越えて連携を強めている。ラーメン店と印刷会社が協力し、昨年4月から提示すれば大盛り無料などのサービスが受けられるキーホルダーを販売。これまでに2500個以上を売り上げた。
市も呼応し、PR強化のための事業費約2300万円を22年度補正予算に計上し、味や特徴などを紹介するポータルサイト開設の準備を進めている。官民挙げての取り組みが実を結んだ首位奪還に、佐藤孝弘市長は「注目度が高まり緊張していたので安心した。市民と一緒に喜びたい」と興奮した様子で話した。市は8日、改めて記者会見を開き、「ラーメンの聖地宣言」も行う予定だ。【神崎修一】
主な都市のラーメン支出額と順位
①山形 1万3196円
②新潟 1万2573円
③仙台 1万2480円
④宇都宮 1万1352円
⑤秋田 1万15円
⑥福島 9746円
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⑧青森 9487円
⑱盛岡 7346円
※総務省の家計調査から山形市が集計。2022年1~12月の世帯当たり支出額