全国各地で相次ぐ「闇バイト強盗事件」で、フィリピン当局は7日、首都マニラの入管施設収容中に「ルフィ」などと名乗り日本の広域強盗事件を指示した疑いがある日本人容疑者4人のうち、今村磨人(38)、藤田聖也(38)両容疑者の強制送還に着手した。事件の全容解明へ向けて国内での捜査が本格化するが、専門家はさらなる黒幕の追及や、スマートフォンの解析がカギを握ると指摘する。
警視庁は強盗とは別の特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で逮捕状を取っており、2人を航空機で移送。機内で逮捕する。
残る渡辺優樹(38)と小島智信(45)両容疑者は、女性に対する暴力事件で告訴され裁判が続いており送還できない状態。フィリピン側は滞在延長を図る虚偽の告訴だと指摘しており、マニラの裁判所が7日、取り下げの是非を判断する。
マニラ当局は1月31日に、4人が収容されていた入管施設「ビクタン収容所」で容疑者らのスマホ10台以上や、ノートパソコンなどを押収。グループのうち1人が6台、他の3人も複数台のスマホを所有していたと明らかにしている。
容疑者らは秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を使い、収容所内から強盗の実行役に指示を出していたとみられているが、犯罪組織の全容解明はされるのか。
元千葉県警刑事課長で犯罪評論家の田野重徳氏は「一番の注目はスマホの発信履歴だ。容疑者らによりすでに消去された可能性は十分にあるが、端末に履歴が残っていなくても、通信会社側のデータを差し押さえて調べれば、さらなる情報が得られるはずだ」と話す。
田野氏は犯行組織について「ルフィ」らの上にさらなる黒幕がいるとみる。「強盗事件では渡辺容疑者らも何人もいる指示役の1人にすぎず、4人への指示役もいて、最終的には大玉の指示役につながるはず。トカゲの尻尾切りになってはいけない」と指摘する。
そのうえで「今回は渡辺容疑者らと実行犯との直接の接点がないが、それでも組織の上の方へ行けば行くほど互いの接点は増えてくるだろう。一番怖いのは、スマホを互いに使い回しているなどして、誰がどれを使っていたのか分からないことだ。ただ、犯行の指示以外にも使用されていて、その履歴が判明すれば、全容解明へは重要な情報となる」と説明した。