政府は10日、次世代原子炉の建設や既存原子力発電所の60年超運転を事実上認める「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定した。電力の安定供給と脱炭素社会の両立に向けて、原発を「最大限活用する」と明記した。原発の新増設や建て替えを「想定していない」としていた方針の転換となる。
政府は基本方針に沿って、電気事業法や原子炉等規制法などを一括改正するための法案を今国会に提出する方針だ。昨年末に方針を固めた後、約1か月間、一般から意見公募していた。内容はほぼ変わらなかった。
基本方針では、廃炉原発の立地する敷地内に安全性を高めた次世代型の原発を建設する方針を盛り込んだ。既存原発の運転期間は「最長60年」とする現行方針を見直し、安全審査などで事業者が想定外の停止を余儀なくされた期間を除外し、60年超の運転を認める。
また、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの増大に対応する送電網の拡充や、民間企業の脱炭素投資を支援する資金調達制度も整備する。政府が、二酸化炭素(CO2)を排出する企業から集める資金を償還財源とする「GX経済移行債」を発行する。