時速194キロ暴走 事故から2年 遺族「無念の思い訴えたい」

大分市で2021年2月、当時19歳の元少年(21)の運転する車が時速194キロで対向車と衝突し、対向車を運転していた会社員、小柳憲さん(当時50歳)=大分市=が死亡した事故から9日で2年となった。遺族は現場で冥福を祈り、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)で起訴された元少年の裁判員裁判に向けて気持ちを新たにしていた。【井土映美】
「彼を忘れた日はない。現場には彼の思いが残っているのではないかと思う」。この日、小柳さんの母と姉2人は、大分市大在の事故現場近くの街路樹に花をたむけ、静かに手を合わせた。
起訴状などによると、元少年は21年2月9日午後11時ごろ、大分市大在の法定速度60キロの県道で、乗用車を制御困難な時速194キロで運転。対向車線からの右折を妨害しようと、重大な危険を生じさせる速度で交差点に進入し、右折しようとしていた小柳さん運転の乗用車に著しく接近して衝突させ、小柳さんを死亡させたとされる。
事故を受け、大分地検は22年7月に同法違反(過失運転致死)で在宅起訴した。しかし、納得のいかない遺族らが危険運転致死の適用を求める署名活動をして、署名計2万8406筆を地検に提出。地検は補充捜査の結果、22年12月、より量刑の重い危険運転致死に訴因を変更した。
この日、記者が自宅を訪ねると、仏壇には小柳さんが事故当時使っていたスマートフォン、漫画の新刊や友人の子供からの手紙が添えられていた。小柳さんの部屋には使っていた服や寝具の他、事故当時、身に付けていた作業着があった。
取材に応じた小柳さんの姉は「亡くなった実感が湧かない。どこかで今も生きているような気がして会えないのはさみしい」と語った。元少年の裁判について「事故を風化させてはいけない。遺族としては弟の無念の思いを訴えていきたい」と話した。