数度の打ち上げ延期を経て、発射が待ち望まれた新型「H3」ロケット。17日午前、ロケットが見える鹿児島・種子島の高台には多くの人が詰め掛けたが、打ち上げには至らず、落胆の声が広がった。
発射台から数キロ離れた長谷展望公園には、1000人を超すロケットファンらが集まった。打ち上げをカウントダウンする人の中には、願いを込めて「頑張れ」と叫ぶ人も。しかし、発射台からは白煙だけが上がった。
茨城県から訪れた岡田美咲さん(33)は、帰省も兼ねて娘と5日間、種子島に滞在。「本当に残念」と話した。娘と息子とともに島北部の西之表市から来た和田麻美さん(35)は「近くで見るのは初めてだったのに」とがっかりした様子。娘の空さん(5)は「なんで失敗したの」と不思議そうな表情を浮かべた。
神戸市出身で、若い頃にロケットの仕事に携わりたいと一念発起して種子島に移り住んだ北村健治さん(67)は「なかなか点火しないから『ええっ』と思った」。ロケットが打ち上がらなかったことについて「開発の難しさが分かるのではないか」と話した。
[時事通信社]