国内のウクライナ避難民2千人超に 支援のニーズ多様化

昨年3月以降、ウクライナへの軍事侵攻で日本が受け入れた避難民は、今月15日までで2302人に上る。戦況の変化などを受けて帰国する人もいるものの、同日時点で2185人が日本での生活を継続。政府や自治体は物資や住居提供などの支援を行っているが、言葉の壁や就労といった課題のほか、避難の長期化に伴ってニーズも多様化している。
出入国在留管理庁によると、避難民は4分の3が女性で、18歳未満は439人、61歳以上は300人。軍事侵攻が起きて間もない昨年3~5月の入国者は毎月300~400人に上った。その後は減少傾向にあるが、戦争の終わりが見えない中、今年に入ってからも60人以上が新たに避難している。
避難民の支援に取り組んでいる日本財団は昨年11~12月、18歳以上の750人に避難生活の状況や課題を尋ねる調査を実施。日本語については約47%は「ほとんど話せず聞き取れない」と答え、全体の半数を超える人が日本語教育の支援を受けているとした。また、生活物資などの提供以外で必要な支援は「遊び、観光」「仕事の紹介、職業訓練」「地域の支援団体などとのマッチング」「日本人の仲間づくり」が上位に入った。
帰国の希望については、約40%が「ウクライナの状況が落ち着くまではしばらく滞在したい」と答え、次いで約25%が「できるだけ長く日本に滞在したい」と回答。戦争の長期化が予想される中、定住の意向を示すウクライナ人が一定数に上ることも明らかになった。(杉侑里香)