「銀河鉄道999(スリーナイン)」「宇宙戦艦ヤマト」などで知られる漫画家の松本零士さんが13日、死去した。かつて戦艦「大和」が建造され、松本さんと縁が深い広島県呉市からも悼む声が上がった。
松本さんは、大和関連の品々を展示する大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)で、開館時の2005年から21年まで名誉館長を務めた。展示コーナーを監修したほか、松本さんから寄贈された軍艦の部品の実物を展示している。戸高一成館長は「戦艦大和についてとても詳しく調べていた。これからは星の海から大和ミュージアムを見守っていただきたい」とコメントした。
市内中心部の商店街にある「ヤマトギャラリー零(ゼロ)」では、松本さんが幼い頃に読んだ本や、創作で参考にした鉄道模型など作品の原点ともいえる数十点を展示している。
ギャラリーを開設する呉信用金庫の中村誠さん(60)は「もっと一緒に街を盛り上げたかった。本当に残念だ」と惜しんだ。松本さんから展示品として鉄道模型を借りた時、「これを見て描くんだよ。ウソは描けないから」と説明を受けたといい、「空想だけで描くのではなく、頭の中のイメージを本などで裏付けて想像を広げていくのがすごいと思っていた」と懐かしんだ。【矢追健介】