立民・党大会、砂上の「維新共闘」…改憲巡りすきま風

立憲民主党は19日、東京都内で党大会を開き、日本維新の会との国会での「共闘」深化などを掲げた活動計画を採択した。野党第2党との連携に党勢回復への活路を見いだすが、すきま風も目立ち始め、党の路線変更も難航するなど課題は山積している。
「共に政権を担おうという話になるのか、国会の政策別連携にとどまるのか。両にらみでやっていく」
泉代表は大会後の記者会見で維新との連携についてこう述べ、さらなる発展の可能性に言及した。
大会で採択した活動計画では、昨年の臨時国会から始めた共闘を「国会の歴史に残る快挙」と明記した。不当寄付勧誘防止法を巡って与野党協議を実現するなど、「力を合わせれば国が動く」(長妻政調会長)と実感しているためだ。共産党と候補者を一本化するなどした2021年衆院選と昨年参院選で結果が出ず、維新を支える保守層にも支持を広げたい思惑もある。
ただ、憲法改正などで立場の異なる維新との連携は砂上の楼閣だ。通常国会では、立民が衆院憲法審査会の早期開催を拒否し、維新から「(共闘は)ご破算にしたらどうか」(藤田幹事長)と不満が噴出した。改憲議論ではむしろ共産と足並みをそろえる従来の路線に逆戻りしている。党内には「次期衆院選でも都市部などでは共産との協力も必要だ」との声もある。
大会では、岡田幹事長が「党の政策をより現実的なものにし、政権交代した時に実現できない政策を並べることは避けるべきだ」と呼びかけた。党の路線転換に対する左派系議員の抵抗を念頭に置いたものだ。
岡田氏は幹事長に就任した昨年8月以降、「中道路線」を目指してきたが、外交・安全保障政策の取りまとめや憲法議論では、警戒した左派系が巻き返す場面が目立つ。読売新聞社の17~19日の全国世論調査で立民の支持率は6%と、この半年間横ばいのままだ。岡田氏は「このままでは政権交代は実現できない」と断言した。
4月の統一地方選や衆院補欠選挙で結果が出なければ、執行部への批判が高まりかねない。
ただ、活動計画では統一地方選について、「衆院選に向け党勢拡大と基盤強化につなげる」と位置づけたが、具体的な目標議席には触れなかった。野党4党が候補者を擁立する衆院千葉5区補選でも、候補者一本化に向けた主導権を握れていない。ベテラン議員は「統一選、補選で敗北したら代表辞任を求めざるを得ない」と語った。