小室圭さんに雇い主が期待する「最大の役割」とは…ノルマ未達でも不問に付される理由(山中眞人)

先月11日、ニューヨーク州弁護士の登録式典(米連邦憲法とNY州憲法を遵守するとの宣誓を行うため、宣誓式とも言われる)が行われた。
NY州は州裁判所の控訴審の管轄に応じて4地区に分かれ、宣誓式は地区ごとの各裁判所で行われる。昨年10月、NY州司法試験に合格した秋篠宮家長女、眞子さん(31)の夫、小室圭さん(31)はマンハッタンで受験しているため、第1地区に属している。
弁護士登録をするには、この宣誓式を経る必要がある。その後、新人研修を受けて、晴れてNY州弁護士として認められるのだ。
筆者もNY州司法試験に合格した後、宣誓式に出席したが、非常に荘厳な雰囲気の中で行われ、「これから米法曹界の一員となるのだ」と身が引き締まる思いだったのを記憶している。
NY州の場合、日本と異なり、弁護士会への加入は任意であり(さまざまな弁護士会が存在する)、裁判所が弁護士の登録を管理している。
20日時点で、小室圭さんの名前はNY州裁判所のウェブサイトに掲載されていない。単にサイトへの掲載が遅れている可能性もあるが、筆者が合格したときと異なり、今はロースクール生時代などにプロボノ活動(公益活動)に一定の時間を使ったことが要件となっている。そのため、もしかすると、小室さんはその要件をまだクリアしておらず、弁護士登録自体が遅れている可能性もある。 ■日本企業の案件獲得が至上命題 日本からLLMコース(1年間)に留学してNY州の司法試験に合格した者にとって、このプロボノの要件がネックになるケースが少なくない。だが、小室さんはLLMからJDコースに編入しロースクールに3年間在籍していたため、プロボノの要件を満たすことは比較的容易なはずである。いずれにしても、小室さんの弁護士登録は時間の問題だろう。
外資系法律事務所の東京オフィスでパートナー弁護士を10年以上務めた筆者の経験から推察すると、雇用主の現地法律事務所が小室さんに期待するのは、弁護士としての力量ではなく、日本企業への営業の窓口役だと思われる。日本企業が関心を示せば、その後、小室さん以外の他の弁護士でも、その企業案件を取りに行くことができるからだ。
大きな法律事務所では往々にして、仕事ができる弁護士よりも、仕事を取ってくる弁護士の方が評価される。もちろん、両方を兼ね備えているのが理想だが、現実はそう簡単ではない。
もし、小室さんがNYに拠点のある日本企業複数社から案件を獲得できれば(または獲得のきっかけを作れば)、小室さんを雇った事務所としては十分に元が取れたことになる。そして、案件獲得のための日々の努力の中で、小室さん自身が仕事のできる弁護士に成長していけば、事務所としては言うことなしということになるだろう。