ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年の24日、長崎市の平和祈念像前で、被爆者4団体などでつくる「核兵器禁止条約の会・長崎」がロシアの侵攻に抗議する集会を開いた。被爆者ら250人が「やめろ戦争! つかうな核兵器!」などと書かれた横断幕やウクライナの子供の写真を掲げ、ロシアの撤退を訴えた。
被爆者で同会共同代表の川野浩一さん(83)=長崎県長与町=は「突然の隣国からの攻撃によってウクライナの安寧や日常の幸せが一瞬にして全て打ち砕かれた。ウクライナが西欧諸国に近づいたという理由だけで、無差別に攻撃し、人々を殺りくすることが許されるのか。そんな権利がロシアにあるのか」と憤った。
ロシアのプーチン大統領は21日、射程が5500キロ以上の戦略核弾頭の配備数などを削減する米露の「新戦略兵器削減条約」(新START)の履行中断を表明。川野さんは「核兵器を巡る制約がなくなり、極めて憂慮する事態。地球、人類の存亡が危うくなっている」と語った。【高橋広之】