岸田首相のウクライナ訪問模索で不安視される「長男・翔太郎氏の行動」

岸田文雄首相(65)がウクライナの首都・キーウ訪問を模索する中で27日、政務秘書官の長男・翔太郎氏の同行に不安の声が上がっている。
米国のバイデン大統領はロシアの侵攻1年となる直前の20日に極秘でウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領との会談を実現させた。
これで今年5月に広島市で開催される先進7か国首脳会議(G7)を前にウクライナ入りを果たしていない首脳は、岸田首相だけになった。
日本では首相や閣僚が国会開会中に海外訪問する際には事前承認を得ることが慣例とされている。政府は今回、岸田首相のウクライナ渡航スケジュールが事前に漏れることへの警戒、国会での事前承認がネックになると心配していた。
そんな中、自民党の茂木敏充幹事長は、党本部で開いた会見で「今年のG7広島サミットのテーマはウクライナ情勢、支援が大きなテーマだ」と強調した上で「岸田首相が現地を視察し、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行うことは有意義だ。その際、ウクライナが今激しい戦闘が続く中、安全面の確保、不測の事態への対応など十分な配慮が必要なことは当然のことだ」と岸田首相のウクライナ訪問に関して国会での事前承認は不要との認識を示した。
立憲民主党の安住淳国対委員長もこの日、報道陣に対し「国会が足かせになるようなことはすべきでない。(ウクライナから)帰ってきた時にちゃんと報告すればいい」と語った。
ただ、野党側から「何の仕事をしているのかわからない」と批判を浴びる翔太郎氏がウクライナに同行する場合について、自民党関係者は「現地で問題を起こさなければいいが…」と不安を口にした。
今年1月、翔太郎氏は岸田首相の欧米5か国歴訪中に公用車でパリやロンドンの観光名所を訪れたり、デパートで買い物をしていたことが週刊誌で報じられて問題になった。
「官邸は翔太郎氏の行動に秘書官としての公務以外、不適切な行動はなかったと説明して乗り切った。岸田首相のウクライナ訪問が成功すれば低迷する内閣支持率アップにつながるし、広島サミットに向けてはずみがつく。翔太郎氏は現地で軽率な行動を取ると、岸田首相に迷惑をかけることになるので控えてもらいたい」(自民党関係者)
岸田首相のウクライナ訪問が実現した場合、注目されるのは「翔太郎氏の行動」というわけだ。