17歳の高校生の男は白昼堂々、定期試験が行われていた中学校の校内に刃物のようなもの持って侵入し、60代の男性教諭に襲いかかった。埼玉県戸田市の中学校で1日に発生した殺人未遂事件。同校に通う生徒や保護者、卒業生らに衝撃が走った。
午後1時ごろに学校周辺を車で通りかかったという保護者の30代女性は、警察車両と消防車が学校に止まっている様子を発見し、違和感を覚えた。その後、学校からの連絡などで事件を知り、急いで現場に駆けつけたという。女性によると、この日、同校では1年生と2年生を対象にした定期試験が行われていた。
2年前に同校を卒業した近くに住む高校2年の女子生徒(17)は、襲われた男性教諭の教え子だと明かした。女子生徒は男性教諭について、「明るい先生で恨みを買うような人ではない」と説明。「今は先生のけがの状態が心配」と無事を祈った。
事件の発生を受けて、同校では急遽(きゅうきょ)、集団下校に切り替えるなどの対応を取った。午後3時ごろ、迎えに来た保護者と再会して抱き合い、体を震わせながら涙を浮かべる生徒の姿もみられた。
迎えにきた保護者の60代の男性は、「最近は各地で物騒な事件が起きているので怖い」と強調し、「まさか自分の母校でこんな事件が起きるとは…」と表情を曇らせた。別の30代の保護者の女性は、近くでネコの死骸が相次いで遺棄されている事件が発生していることを踏まえて「もし自分の子供に危害が加えられたら」と不安そうに語った。(星直人)