国のタクシー運賃引き上げは「合理性欠く」…値上げ拒否2社の申し立て、東京地裁が認める

東京都内のタクシー運賃引き上げを巡り、値上げを拒んだタクシー会社2社が行政処分の仮差し止めを国に求めた裁判で、東京地裁は、国による運賃変更の命令と事業許可取り消し処分の仮差し止めを認める決定を出した。鎌野真敬裁判長は「運賃を引き上げた国の判断は、経営状況に関係なく一律に相当程度の値上げを余儀なくするもので、違法だ」と指摘した。
決定は2月28日付。申立人の「ロイヤルリムジン」(東京)グループの2社が6日、都内で開いた記者会見で明らかにした。
国土交通省関東運輸局は昨年11月14日から、都内(23区、武蔵野、三鷹市)の初乗り運賃(普通車)を従来の420~390円から、500~470円に改定。2社は「値上げ幅が大きすぎ、客の理解が得られない」として従来の420円で営業を続けた。
国が定めた運賃幅に事業者が従わない場合、国は運賃の変更を命じたり、事業許可を取り消したりできる。2社は同月29日、こうした行政処分の差し止めを求める訴訟を起こすとともに、処分の仮差し止めを申し立てていた。
決定は、大幅な運賃の引き上げは固定客の喪失などにつながりうると指摘。下限運賃を470円よりも低く指定した場合の影響などを十分に検討した様子もないとし、同運輸局による運賃の改定には裁量権の逸脱や乱用があると判断した。
グループの金子健作代表は会見で「申し立てが認められ、ほっとしている。値上げは消費者としても事業者としてもゆゆしき事態だ」と話し、同運輸局は「決定内容を十分に検討し、方針を決定したい」とのコメントを出した。