高市早苗経済安全保障担当大臣と立憲民主党の小西洋之参院議員の“行政文書バトル”が過熱している。
小西氏が明らかにした総務省の内部文書は、放送法上の政治的公平性の解釈について、安倍政権時代に首相官邸と総務省でやりとりした内容が書かれていた。総務省は放送事業者の「一つの番組ではなく番組全体を見て判断する」との立場だったが、安倍官邸は一つひとつの番組でも判断できるよう解釈変更(政府側は「補充的説明」と主張)を迫っていた。
当時、総務相だった高市氏は自身に関する言動について「捏造」と主張。小西氏から捏造でないなら議員辞職するのかと聞かれ「結構だ」とタンカを切っていた。
これには永田町でも「なんで議員辞職なんて口にするのか」と困惑ムードが広がっている。今では総務省が小西氏の示した文書について、正式な行政文書だったと認めてしまっている。それでも高市氏に関する部分が誤りである可能性は残されてはいるが、苦しい展開だ。
もっとも高市氏は本当に捏造だと自信を持っているのかもしれない。以前、自民党総裁選に出馬した際に本紙は高市氏にインタビューを実施。ほかの候補者にも聞いていた「UFOを信じますか」との質問に戸惑いながらも「信じる」と答えていた。
リップサービスを含んでいる印象ではあったが、一方で高市氏の地元奈良県にある生駒山が“UFOの通り道”だという有名な話には「ええッ! 聞いたことない」と完全否定。知らないことは知らないとハッキリ言える性格ではあった。
9日、自民党の杉田水脈衆院議員がツイッターで同僚議員のパーティーに高市氏があいさつに来たとツイート。その場で高市氏の誕生日祝いが行われたとして、「一部報道に『高市大臣が孤立』なんてありましたが、そんなことはありません」と訴えていた。
高市氏はこのバトルをどう乗り切るのだろうか。