LGBTを理由に日本に逃れたウガンダ人女性を難民と認めた全国初の司法判断が下されました。 アフリカ東部の国・ウガンダ出身の30代女性。母国には帰れないと話します。 (ウガンダ出身の30代女性) 「LGBTだからです。私の国ではレズビアンは許されていません。帰国するのにとても恐怖を感じています」 訴えなどによりますと、ウガンダでは2014年に「反同性愛法」が一時成立。今も同性者同士の性交渉に対して終身刑が科されるほか、現在も反同性愛法の審議が続いているといいます。ウガンダの国会の議長は自身のツイッターで次のように書いています。 【ウガンダの国会議長のツイッターより】 『同性愛やレズビアンは不道徳』 この女性もLGBTであることを理由に警察に逮捕され、約3か月にわたって拷問などを受けたといいます。 (ウガンダ出身の30代女性) 「警察は『レズビアン、レズビアン』と叫びながら私を棒で叩いてきました」 釈放後、女性が逃れてきたのが日本。2020年2月、女性は関西空港に到着した後、LGBTであることを理由に難民申請をしたものの2度にわたって退けられました。去年10月、法廷に立った女性は自らの思いを直接裁判官に訴えました。 (ウガンダ出身の30代女性 去年10月) 「ウガンダではレズビアンが自由に生きることはできません」 一方、入管側は「LGBTの人がウガンダの法律に基づいて有罪判決を受けたケースはないとされ、女性の体の傷も警察の行為によるものか判然としない」として訴えを退けるよう求めました。 迎えた今年3月15日の判決。大阪地裁は「ウガンダに帰国すればレズビアンであることを理由に警察に逮捕・勾留されて暴行を受ける十分に理由のある恐怖を有する」として、入管側に対して女性を難民と認めるよう命じる判断を示しました。 (ウガンダ出身の30代女性) 「日本政府にありがとうと言いたい。私が日本に住むことを受け入れてくださって」 弁護団によりますと、LGBTを理由に難民と認める司法判断は全国初だということです。一方で入管側は「判決の内容を精査し適切に対応したい」としています。