成田空港(千葉県)に覚醒剤約9キロ・グラムを密輸しようとしたとして、30歳代の男が2月18日、関税法違反容疑で逮捕され、起訴されていたことがわかった。男はSNSで「闇バイト」に応募して密輸しようとした。借金の返済や元妻と子どもの養育費の支払いに追われていたという。千葉地裁で14日、初公判が開かれ、男は起訴事実を認めた。
関税法違反で起訴されたのは、三重県桑名市の無職の男(36)。起訴状などによると、男は昨年12月26日、何者かと共謀し、クレーン部品が入った木箱2箱に覚醒剤約9キロ・グラムを隠し、メキシコから成田空港に密輸入しようとしたとされる。
冒頭陳述などによると、男は昨年12月、ツイッターで「闇バイト」「裏バイト」と検索して応募し、指示役からキャッシュカードや現金を受け取る「受け子」を頼まれた。その後の同26日、クレーン部品の送付先となっていた会社の社員を装い、成田空港の税関で荷物を受け取ろうとした。
被告人質問によると、男は勤めていた運送会社を昨年11月に給与の未払いで辞め、日払いの仕事に従事したが、約100万円の借金や、元妻と子どもへの養育費の支払いに追われていた。男は「闇バイトには抵抗があったが、金のことしか考えられなかった。途中で逃げることもできなかった」と述べた。