福岡市西区の海岸で住居不定、職業不詳の山本駿一さん(当時26歳)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された大阪市の男子高校生(17)が「自殺願望があり、一緒に死ぬつもりだった。(山本さんに)頼まれて殺した後、怖くなり逃げた」との趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で判明した。
福岡地検は17日、被害者の依頼に基づき殺害行為が実行されたと判断し、殺人よりも法定刑の軽い嘱託殺人の非行内容で、高校生を福岡家裁に送致した。家裁は同日、30日までの観護措置を決め、事件を高校生の居住地を管轄する大阪家裁に移送する決定を出した。
高校生は2月17日早朝、福岡市西区の長垂(ながたれ)海岸で山本さんの首をロープで絞め付け、窒息死させたとして逮捕、送検された。
捜査関係者によると、山本さんは事件数日前、一緒に自殺する人を募る趣旨の内容をネット交流サービス(SNS)に投稿。それに反応した高校生は事件前日の16日に新幹線でJR博多駅まで移動後、福岡市内で山本さんと合流したとみられる。防犯カメラなどの分析から、2人で自殺するための道具を準備して現場の海岸へ向かったとみられ、遺体近くには一部使用済みの練炭も散乱していた。
ただ、高校生は死にきれなかったとみられ、事件当日の17日夜、現場から約50キロ離れた福岡県遠賀郡内に1人でいるところを県警が保護。保護者と共に大阪に戻った後、25日に殺人容疑で県警に逮捕された。
地検は供述内容と現場の状況に矛盾がないことなどから、嘱託殺人を適用すべきだと判断したとみられる。地検は送致時に付ける意見を明らかにしていない。
福岡家裁は決定理由を明らかにしていないが、適切な処分を決めるには成育環境を綿密に調査する必要があると判断した模様だ。家裁調査官が親族らから話を聞くなどして調査し、少年院送致などの保護処分にするか「刑事処分相当」と判断して検察官送致(逆送)とするかなどを決める見通し。【佐藤緑平、河慧琳、平塚雄太】