対立ではなく「反省と謝罪」 北九州高2自殺 民事調停で和解成立

2017年4月に北九州市の私立高2年の女子生徒が自殺した問題で、いじめたとされる当時の同級生3人に対し、生徒の両親が謝罪を求めて小倉簡裁に民事調停を申し立て、和解が成立していたことが判明した。今回のケースは、訴訟による当事者同士の全面的な対立ではなく、話し合いによる解決を目指す民事調停が活用された。いじめ問題に詳しい石田達也弁護士(滋賀弁護士会)は「他のいじめ問題でも参考になる解決方法で、価値のあるケースだ」と評価する。
石田弁護士によると、いじめを巡る紛争解決の手段は、損害賠償を求める民事訴訟に限られるのが現実で、賠償額などを巡って当事者同士が争いとなる場合が多い。石田弁護士は、大津市でいじめを受けた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が2011年に自殺した問題で遺族側の代理人を務めたが、遺族は元同級生らに損害賠償を求める訴訟を起こし、最高裁まで争われた。
今回使われた民事調停は、相手側に謝罪を求めるといった条件が訴訟よりも盛り込みやすく、より当事者の心情に寄り添った解決が期待できるという。石田弁護士は「いじめが原因とされる自殺があった場合、遺族に共通する願いは事実に向き合い、当事者に反省と謝罪をしてほしいということだ」と指摘する。
ただ、瑞菜さんが亡くなってから今回の和解まで6年近くかかっており、父親も記者会見で「ものすごく長かった」と打ち明けた。石田弁護士は「学校でのいじめや事故で紛争になった場合、解決を図る外部機関がない」として、調停や訴訟に頼らない解決手段が必要だと指摘した。【平塚雄太】
相談窓口
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いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。
0120・0・78310=年中無休、24時間。
・子どもの人権110番
「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。
0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分
・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/)
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