埼玉県三郷市の警備会社から現金3億6000万円が盗まれ、元社員の伊東拓輝(ひろき)容疑者(28)が窃盗容疑で逮捕された事件で、県警は28日、伊東容疑者が現金を詰め替えたとみられるスーツケース2個とリュックサックを押収し、内部から現金3億5743万円が見つかったと明らかにした。
県警によると、伊東容疑者は確保時にコインロッカーの鍵を三つ所持しており、「コインロッカーに(金を)入れた」と供述。27日夜、東京都渋谷区のコインロッカーからスーツケース1個とリュックサックが供述通りの場所から見つかった。28日昼、同荒川区のコインロッカー管理会社でもう一つのスーツケースが見つかった。伊東容疑者は千葉県船橋市のコインロッカーに荷物を預けたとみられるが、保管期限が過ぎたため管理会社が保管していた。
見つかったのは、スーツケース2個とリュックサック。スーツケースはダイヤル鍵で、リュックはダイヤル式の南京錠で施錠されており、いずれも伊東容疑者の供述で解錠された。
伊東容疑者は今月4日、埼玉県三郷市の「アサヒセキュリティ」(東京)の新三郷オフィスで、金庫に保管していた現金3億6000万円を盗んだ疑いがある。容疑を認めた上で、「今の生活が苦痛で脱却したかった」「今後の生活費として使うために1人でやった」という趣旨の供述をしているという。
県警によると、伊東容疑者は4日、会社の金庫室にあった現金を段ボール4箱に詰め、会社の荷物の配送に紛れ込ませて東京都渋谷区の私書箱に送付。5日は無断欠勤し、同日正午過ぎに私書箱で自ら段ボールを受け取った。タクシーで東京都中央区のホテルに移動してチェックイン、約2時間半後にチェックアウト。この間にスーツケース2個とリュックに現金を移し替えたとみられる。
県警は9日に伊東容疑者を全国に指名手配、26日には新たな動画や写真を公開して情報を募り、27日午後、東京都渋谷区で1人でいるところを警視庁の捜査員が確保した。伊東容疑者は確保時に現金100万円余りを持っており、県警は他の現金の行方を捜していた。【中川友希、鈴木拓也】