「この日ずっと待っていた」旧優生保護法下で強制不妊手術 逆転勝訴で原告ら喜びの声

旧優生保護法のもとで不妊手術を強いられたとして兵庫県の障がい者らが国に賠償を求めた裁判の控訴審で、大阪高裁は1審判決を覆し、原告5人のうち3人の訴えを認め、国に1人あたり1650万円、計4950万円の支払いを命じました。判決後に原告らが会見を開き、逆転勝訴を受けて喜びの思いや国には早期に謝罪をしてほしいと話しました。(原告の鈴木由美さん)「今日はいい判決をいただいて、本当にうれしかったです。障がいがあるからといって子どもを産めないようにされて、私は障がいがあっても普通に暮らしていきたいだけだったんですよ。あんなことがなかったら子どもが生まれたなあと思って、体の傷は忘れても心の傷はなくならない。国には早く謝罪をしていただいて、悪かったということをみんなに言ってほしいと思うし、どんな差別を受けてきたか改めて分かってほしいし、もうこんなばかな法律は二度と作らないで、普通に障がいがあっても暮らせる社会を作ってほしい」(原告の小林寶二さん)「この日を待っていました。長い間闘ってきて、今日の判決をずっと待っていました。正しい判決を出していただけてうれしく思います。これで気持ちが落ち着きました」原告の代理人を務める藤原精吾弁護士は「国がその責任を認めるまで、または責任について最高裁が判決で命じて確定するまで、除斥期間は許されない、それを言うことは許されない。国の責任を認めない態度が被害を受けた人の権利行使を妨げているんだということで、この判決の全体のトーンとして、国のこの問題に対する態度が極めて非難に値するということ、そのような国が除斥期間で責任を免れることは到底許されないということをこの判決全体で述べている」と話しました。兵庫県在住で聴覚障がいのある小林寶二さん(91)夫婦や、脳性まひの鈴木由美さん(67)ら5人は旧優生保護法のもとで不妊手術を強制されたとして、国に対しあわせて1億6500万円の損害賠償を求めていました。1審の神戸地裁は、旧優生保護法の違法性を認めつつも、『賠償を求める権利が20年以上経って消滅している』として、訴えを退けたため、小林さんらが控訴していました。3月23日の判決で大阪高裁は、旧優生保護法が憲法に違反することを認めた上で、損害賠償を請求できる期間(除斥期間)については、「国が旧優生保護法を憲法違反だと認めたときか、憲法違反だと最高裁判所が判決を下し確定したときから6か月以内は除斥期間の適用はされない」とし、国が裁判の中でも争い続け、最高裁の判断も出ていないことから、小林さんらは「損害賠償を請求できる権利がある」とし、一審判決を覆し、国に対し、5人のうち生存している3人にそれぞれ1650万円、計4950万円を支払うよう命じました。高等裁判所において、同様の判決を出したのは全国で4例目です。