死産した双子の遺体を遺棄したとして死体遺棄罪に問われ、24日の最高裁判決で逆転無罪となったベトナム人の元技能実習生、レー・ティ・トゥイ・リンさん(24)は、判決後の記者会見でコメントを発表した。【栗栖由喜】
コメントは次の通り。
今日の記者会見におあつまりいただいた皆さん、私は、レー・ティ・トゥイ・リンです。
私が、2020年11月19日に警察に逮捕されてから2年4カ月以上が経過し、ようやく判決の日を迎えました。本日、最高裁判所の無罪判決を聞き、本当に心からうれしいです。
これまでの2年4カ月は、本当に長かったです。私が逮捕され、犯罪者として大きく報道され、また、私の事件のことが報道されるたびに、インターネットニュースやSNS(ネット交流サービス)上でいろいろ嫌なことを書き込まれて、それらを見るたびに、何度も心が苦しめられ、心が折れかけました。
そのたびに、多くの支援者や弁護士の先生らに慰められ、励まされ、希望を見いだして勇気を得て、今日まで頑張ることができました。これまでのご支援、ほんとうにありがとうございました。
最後に、本日の無罪判決により、私と同様に、妊娠して悩んでいる技能実習生や女性らの苦しみを理解して、このような女性は、捕まえたり、有罪として刑罰を加えたりするのではなく、相談でき、安心して出産できるような環境に保護される社会に日本が変わってほしいと願います。
岩下康子・広島文教大准教授(多文化共生)の話
妊娠した外国人技能実習生が追い込まれる例は少なくなく、今回のケースは氷山の一角だ。背景には実習生を労働力としか見なさず、妊娠・出産すること自体を非難すべき行為と捉える風潮がある。妊娠した責任を女性のみに負わせる社会の認識も、孤立出産を助長している。妊娠した実習生の多くは監理団体などには相談できないのが実情で、実習生が実質的に利用できる相談窓口や支援体制も不十分だ。外国人労働者を受け入れる以上、妊娠や出産という、人として当たり前の権利を認めるよう制度を根本から変えるべきだ。