諫早湾干拓巡る訴訟、開門求めた漁業者側の控訴棄却…漁場環境の悪化は認める

国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防が閉め切られて漁業被害を受けたとして、長崎県の漁業者26人が国に堤防排水門の即時開門を求めた第2、3次訴訟の控訴審判決が28日、福岡高裁であった。森冨義明裁判長は事業によって漁場環境が悪化したと認める一方、開門時に生じる農業被害などを挙げて開門請求は否定。請求を棄却した1審・長崎地裁判決を支持し、漁業者側の控訴を棄却した。漁業者側は上告する方針。
事業を巡っては、最高裁が2019年、第1次訴訟を含む2件を「開門せず」で確定。今月1日には別の訴訟で開門を命じた確定判決の「無効化」を認め、「開門せず」で司法判断を統一した。今回は統一後、初の下級審の判決だった。