専門家「養鶏産業崩壊の危機」 高病原性疑い鳥インフルエンザ 北海道・千歳市の養鶏場で殺処分始まる

北海道・千歳市の養鶏場で死んだニワトリから致死率の高い「高病原性」が疑われる鳥インフルエンザウイルスが見つかり、道は養鶏場で飼育している、およそ56万羽の処分を始めました。
全身、白い防護服を来た大勢の人たち。千歳市内の養鶏場で、致死率の高い「高病原性の疑い」がある鳥インフルエンザウイルスが検出され、28日あさから殺処分が始まりました。異変が見つかったのは前日の午前のことです。
養鶏場からの報告:「採卵用のニワトリおよそ500羽が死んでいる」
道庁では、午前8時から緊急の対策会議を開催。養鶏場で飼育するおよそ56万羽のニワトリの殺処分を決定しました。道内では過去最大規模です。
養鶏場の近くでは、防護服を着た人たちを乗せたバスが慌ただしく移動する様子も。道の要請で派遣された自衛隊も殺処分の作業にあたっています。
さらに。
周辺の10キロ圏内には卵などを出荷する12か所の養鶏場が集中していて、およそ156万羽のニワトリの移動や出荷が安全が確認されるまで制限されました。
影響が心配されるのが、卵の「品不足」とさらなる「価格高騰」です。
藤澤達弥アナウンサー:「いまはスーパーの卵コーナーには卵が並んでいます。しかしすぐその隣、卵の入荷が困難になり水曜日の特売を中止するという張り紙も張られています」
こちらは札幌市手稲区のスーパー。週に1回の卵1パック65円のセールが人気でしたが、29日からは、卵の代わりに豆腐や納豆を特売商品にして対応する予定です。
客「困ります弁当とか朝も食べるから」
全国で相次ぐ鳥インフルエンザに加え、飼料価格の高騰の影響で札幌市内の卵1パックの価格はこの1年間で20円ほども値上がりしました。
キテネ食品館中塚誠代表:「卵の価格が上がるのと同時に自分たちが欲しい数量が確保できない部分が出てくる夜には売り切れている状況が起こり得る」
藤澤達弥アナウンサー:「卵高騰の波は札幌市内のラーメン店にも押し寄せています」
しっかり味が染み込んだ「味玉」がトッピングされた自慢のラーメン。こちらは、1日で50個以上の卵を使うという札幌市東区のラーメン店。卵の高騰を受けて、創業以来守り続けてきたラーメンの価格をあげることも検討しているそうです。
俺のラーメンこうた石井光店長:「いよいよ850円もあげないと無理なのかなと思っています。900円近くなるかもしれないです」
全国で相次ぐ鳥インフルエンザの影響は卵だけではありません。ラーメンに欠かせない「スープ」の材料にも及びそうです。
俺のラーメンこうた石井光店長:「スープをとるための「鶏がら」もなくなっちゃうというのもあるのでスープも改良しないとダメなのかなというのも出てきています。結構やばいかなと。率直な意見でいうとお店成り立つのかな」
過去最大規模の殺処分と出荷停止でさらに不安が高まる「卵の品不足」。その影響はいつまで続くのでしょうか。養鶏産業に詳しい専門家は、今回、殺処分が行われた養鶏場が元の生産体制に戻るには2年はかかると見ています。
東京農業大学元教授信岡誠治さん:「ニワトリが雛から卵を産むまで、少なくとも4か月かかる。生み始めても、店頭に並ぶような大きな卵ができるわけではない。この問題は長引くと考えても良さそう、このままいくと養鶏産業は崩壊します」