文部科学省は4日、大学の研究力強化のため創設した10兆円規模の大学ファンドの支援校である国際卓越研究大学に、東京大や京都大など10大学が申請したと発表した。秋ごろまでに数校に絞る。
文科省によると、期限の3月末までに申請したのは国立大が8校、私立大が2校。受け付けた順に、早稲田大▽東京科学大(2024年度中をめどに東京工業大と東京医科歯科大が統合)▽名古屋大▽京都大▽東京大▽東京理科大▽筑波大▽九州大▽東北大▽大阪大。統合前の2校を含む国立大はすべて、世界最高水準の研究開発を目指すために文科相が指定する「指定国立大」だった。
文科省は、政府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)や同省科学技術・学術審議会のメンバー、海外の大学の学長や副学長経験者など国内外の専門家10人でつくる有識者会議を設置して審査し、支援校を選ぶ。質の高い論文が直近5年間で1000本以上など国際的に卓越した研究力を有するか、財政基盤の成長を期待できるかなどを重視する。大学の視察も実施する。
大学ファンドは政府が20年度に創設した。一部のトップ大学に巨額の資金を供給し、運営体制の強化を促すことで、世界最高水準の研究環境の整備や若手研究者の支援を目指す。
政府はファンドの運用益を年3000億円と見込み、24年度にも1大学当たり数百億円の配分を始める。支援期間は最長で25年間とし、まずは数校を支援校に選び、段階的に増やしていく。【鳥井真平】