尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖を航行する中国海警船の行動パターンが、読売新聞などによるデータ分析で明らかになった。「定期パトロール」をするかのように、特定の時間帯に領海侵入していたほか、日本漁船がいた場合は追いかけるように入っていた。
中国海警船は特定の時間に領海侵入を繰り返し、漁船につきまとっている。3月30日~4月2日にも日本漁船を追尾し、日本政府による尖閣諸島の国有化(2012年)以降、最長となる80時間36分間、領海に居座った。漁業者は周辺海域から遠ざかり、海上保安庁も厳しい活動を余儀なくされている。
「海警船にずっと監視されていた。尖閣沖では異常な状態が続いている」。沖縄・与那国島の漁船「瑞宝丸」(9・7総トン)の船長・金城和司さん(51)も自身の体験を振り返る。
昨年12月22~24日、大正島の領海内でアカマチ漁をしていたとき、海警船2隻が1マイル(約1・8キロ)以上の距離を保ちながら、72時間45分にわたって 執拗 (しつよう)につきまとってきた。
周辺は高級魚の好漁場として知られる。3日間で水揚げした魚は市場で200万円の値段がついた。金城さんは「尖閣は日本の海だ。これからも漁を続ける」と言い切る。
しかし、石垣市の八重山漁協によると、国有化前は定期的に出漁する漁船があったが、今ではリスクを恐れ、出かける船はほとんどない。金城さんは「このままでは島は乗っ取られてしまう」と危惧する。
1月30日には、石垣市の環境調査チームを乗せた作業船「新世丸」を巡り、海保の巡視船と海警船が 対峙 (たいじ)する事態も起きた。
新世丸が魚釣島の接続水域に入ったのは、午前4時頃。左右それぞれ3・5キロの地点で海警船が監視していた。そのとき、海保の巡視船2隻が間に割り込み、巧みに海警船の速度を落とさせ、新世丸から5キロの距離まで引き離した。
巡視船による護衛で2日間の調査は無事に終了。ドローンによる空撮も行い、魚釣島ではヤギの食害で斜面の崩落が進んでいる状況も確認された。市は今後、上陸調査も検討している。
調査を委託された東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は「今回は海保の戦略や操船能力が勝り、中国は歯がゆい思いをしたはずだ。ただ、今後は違う方法で揺さぶりを掛けてくるだろう」と指摘する。