長野県は3日、県内4か所の県税事務所が行う軽油の抜き取り調査で、残った軽油を廃棄するとしていたこれまでの調査要領を改め、調査協力者の同意を得て県が所有する重機の燃料として再利用すると発表した。
調査は、軽油引取税の適切な徴収を目的に、重油や灯油を混ぜた不正軽油の有無を確認するもの。これまでの要領では、事業者や運転中のドライバーから了承を得て軽油を抜き取り調査し、不正がなければ残りは廃棄することになっていた。
新要領では、抜き取る量をこれまでの200ミリ・リットルから100ミリ・リットルに半減させ、不正がなかった場合の残り軽油は県農業試験場などで燃料として再利用することとしている。
県は先月、同事務所関係者が調査の残り軽油を廃棄せずに再利用したことを発表し、陳謝していた。この日記者会見した阿部守一知事は「環境面、資源の有効活用を考えると、全て廃棄してしまうのは逆にもったいない。今回のことを契機にどうするか検討した」と、調査要領改定の理由について述べた。県民からも廃棄の規定を疑問視する声が県庁に寄せられていたという。