サル痘の40代男性に海外渡航歴なし 沖縄県内で初確認 県「発熱や発疹などは医療機関に相談して」

沖縄県は7日、県内で初めてウイルス感染症「サル痘(エムポックス)」の患者を確認したと発表した。県内に住む40代の男性で、発熱のほか、発疹、喉の痛みなどの症状があるが、状態は安定しているという。
県内医療機関から保健所にサル痘疑いの報告があり、県衛生環境研究所が検査したところ陽性が判明した。発生届は7日付。
県によると、男性に海外渡航歴はない。県は今後、詳しい行動履歴を聞き取るなど感染経路の特定や接触状況を調べる。
サル痘は2022年5月以降、欧州や北米などで感染確認が相次いでいる。国内では同年7月25日に初めて確認された。今年に入り、患者報告数が増えており、4日までに95例が確認されている。
サル痘の潜伏期間は通常6~13日(最大5~21日)で、発熱や頭痛などの1~3日後に発疹が見られる。多くの場合は自然治癒するが、子どもの場合は健康状態や合併症などにより重症化することがある。
主に、感染している患者の体液や血液との接触(性的接触含む)で感染する。長時間の飛沫(ひまつ)にさらされた場合でも感染する可能性がある。
県は「過剰に心配せず、発熱や発疹など体調に異常がある場合は医療機関に相談してほしい。手指消毒など基本的な感染対策が大切だ」としている。(社会部・下里潤)