独立行政法人国立印刷局(東京都港区)発注の官報用紙の入札で談合が行われた疑いが強まったとして、公正取引委員会は11日、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で、製紙卸で東証プライム上場の「日本紙パルプ商事」(中央区)など4社の関係先計7カ所を立ち入り検査した。
関係者によると、他に立ち入り検査を受けたのは、KPPグループホールディングス子会社の「国際紙パルプ商事」(中央区)、日本製紙子会社の「日本紙通商」(千代田区)、「福井紙業」(同)の3社。
4社は官報用紙の一般競争入札で、事前に受注業者を決め、落札価格を高止まりさせた疑いが持たれている。談合は遅くとも10年以上前から行われていたとみられるという。
官報用紙の発注額は年間1億5000万円前後。国立印刷局のホームページによると、官報の購読料金は1部32ページで143円、1カ月の定期購読だと1641円となっている。
官報には法令など政府が発表する公文、叙勲や最低賃金、行旅死亡人などの情報に加え、会社の決算公告も掲載される。紙で発行されているほか、インターネットでも閲覧できる。
日本紙パルプ商事は「厳粛に受け止め、公取委の調査に全面的に協力する」とのコメントを出した。取材に対し、国際紙パルプ商事は「立ち入り検査を受けているのは事実。調査に全面的に協力する」、日本紙通商は「調査にできる限り協力していく」と回答した。
独禁法は、国や地方公共団体など公的機関が実施する入札で、受注する業者や金額をあらかじめ決め、競争を制限する談合を禁じている。談合が行われると公的機関の支出が増え、納税者負担につながる可能性がある。
[時事通信社]