「明確な目標見えない」 盛り上がらぬ万博、橋下徹氏が辛口エール

開幕まで2年となった2025年大阪・関西万博。13日には、会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)でパビリオンなどの建設に向けた起工式が行われた。だが、資材高などに加え、機運醸成も課題の一つだ。想定来場者数約2820万人の達成を不安視する声もあり、吉村洋文大阪府知事と横山英幸市長らの手腕が問われている。
「自治体と経済界、政府が一丸となって機運醸成を進めていく」
同日午後、夢洲での起工式に出席した岸田文雄首相はあいさつで万博成功への意気込みを語り、記念硬貨の発行を公表。吉村、横山両氏ら計16人で並びくわ入れを行い、本格化する会場整備工事の安全を祈願した。
日本国際博覧会協会(万博協会)によると、工事は1周約2キロあるリング状の木造建築物「大屋根」などから着手。府市と経済団体が出展する地元館「大阪ヘルスケアパビリオン」(大阪館)は来年10月末の完成を目指す。
開幕に向けた準備が着々と進む一方、盛り上がりは今ひとつ。府市が昨年12月に府内の2千人と府外の千人に実施したインターネット調査では、大阪・関西万博に「行きたい」「どちらかといえば行きたい」と答えた人は全体が41・2%で府内は46・3%、府外は30・9%。令和3年度調査と比較すると全体では10・7ポイント、府内11・8ポイント、府外8・7ポイントそれぞれ低下した。認知度では18~29歳が73%と最低だった。
こうした現状を踏まえ、大阪以外の自治体や財界も取り組みを進める。京都府や京都市、地元経済界などは昨年12月、基本構想検討会を立ち上げ、万博で京都が目指す展示のあり方を示す基本計画案を策定。万博を契機に京都の魅力を世界に発信し、国内外にアピールする。
また、兵庫県は万博会場内の展示スペースに、県の歴史や未来の姿を映像で紹介する体験型アトラクションの設置を予定。壁や天井をスクリーンで覆い、音響装置などで臨場感あふれる映像空間の演出を積極的にPRしている。
この日の起工式に先立つ同日午前には、吉村、横山両氏が夢洲近くの大阪府庁咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)で行われた万博推進本部会議に出席した。機運醸成の取り組みとして、府市の万博推進局内に4月に新設した「地域連携タスクフォース(TF)」が自治体や企業との窓口となり、イベントや広報で連携して万博をPRすることを確認。開幕500日前の11月30日前後をPRの重点期とし、集中的に関連イベントや情報発信を行う方針も明らかにした。
吉村氏は参加する153の国・地域や国際機関、企業が今後、パビリオンの展示内容を固めていくとしたうえで「より具体的な姿を見せていけば、必然的に機運が醸成される」と強調。横山氏も「住民と一緒に盛り上げられるように取り組んでいきたい」と述べた。
一方、吉村氏が代表、横山氏が幹事長を務める、地域政党「大阪維新の会」創設者の橋下徹氏が、万博開幕2年に合わせたイベントで講演。「あえて僕が思う(万博の)不安材料を言って、ひっかき回したいと思います」と切り出した。
橋下氏は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにした万博について「明確な目標が見えない」と指摘しつつも、「勝負はこれから。府民市民の力を合わせ、世界に冠たる大都市大阪にしていきましょう」と機運醸成に向け〝後方支援〟した。