ノンフィクション作家・中村淳彦氏の新著『同人AV女優 貧困女子とアダルト格差』(祥伝社)。「AV出演被害防止・救済法(AV新法)」の成立で業界が混乱する中、勢いを増しているという「同人AV」と呼ばれるジャンルに参入する女性らにインタビューした一冊だ。
「自らの意思で”息を吸うように売春”するZ世代」――。女性の貧困をテーマに執筆を続ける中村氏が取材の中で目撃したのは、そんな女性たちの姿だった。まえがきには「彼女たちは自分の意思で男性客を探し、合理的に稼げる方法を常に探していた」と書かれている。
こうした考えの背景にあるものは。J-CASTニュース編集部は、中村氏に詳しい話を聞いた。
Z世代にとって「AV新法はおそらくピンとこない法律」
大学在学中から20年以上、AVや風俗、介護、貧困などをテーマに執筆・取材を続けてきた中村氏。「Yahoo!ニュース|本屋大賞2019年ノンフィクション本大賞」にノミネートされた『東京貧困女子。』など多数の著作を刊行している。
Z世代は一般に1996年~2010年頃までに生まれた人のことを指す。その世代の女性について、中村氏は自らの取材経験から次のように話した。
――そうなんですね。
AV新法は、出演強要などの被害を防ぐことを目的に制定された法律で、2022年6月15日に与野党の賛成多数で可決・成立した。しかし、業界関係者からは、仕事がなくなった、実態とは異なるなどの批判も上がっている。
「楽で合理的に稼げることに対するモチベーション」
「推し活」の中でも、Z世代は「ホスト」にハマる女性が多いと中村氏は話す。
今回の著書『同人AV女優』にも、いわゆる「ホス狂い」になるZ世代の女性のエピソードが記されている。ホス狂いとは「ホストに没頭することを生活の最優先事項にする女性たちの総称」と説明されている。
中村氏は日本の平均賃金が「安すぎる」、世代格差が著しいと指摘する。大学の授業料が高騰している一方、親世帯の平均収入が減っているため、そもそも大学に通うことが難しくなっているとして、次のように述べる。
――なるほど。
Z世代の女性はホストに「限界までお金を作って全部使う」
――なぜ後先考えずにお金を使うようになったのでしょうか。
――ホストクラブには、そこまでの金額が求められるんですね。
――40代、50代の男性がZ世代の女性に狙われていると。
――ホス狂いになる理由は一体何なのでしょうか。
中村淳彦氏 プロフィール
なかむら・あつひこ ノンフィクション作家。大学在学中から20年以上、AVや風俗、介護、貧困などの現場でフィールドワークを行い、取材・執筆を続けている。著書に『東京貧困女子。』(東洋経済新報社)、『歌舞伎町と貧困女子』(宝島社)、『崩壊する介護現場』(ベストセラーズ)、『ルポ 中年童貞』(幻冬舎)など多数。また、『名前のない女たち』シリーズ(宝島社)は、劇場映画化されている。2023年3月1日に『同人AV女優 貧困女子とアダルト格差』(祥伝社)を刊行。