約100人の高齢者が暮らす上越市の特別養護老人ホーム。この春ネパール人2人を含む4人が新たに加わった。
利用者に寄り添うコミュニケーションの大切さ…指導する看護主任は言葉遣いに気を配りながらポイントを伝えていく。
【特別養護老人ホームの看護主任】
「私の時代は背中を見て覚えろみたいなところはあったんですけど、いまはそういう時代じゃないなって、とにかく最初に手取り足取り、そして不安はないんだよというところで大丈夫だと言って育てていく方がうまくいくのかなと」
ネパール人2人は日本の介護福祉士の養成施設で留学生として学ぶことなどを条件に「介護」の在留資格を得て数年前に来日。
来日後すぐ職員として現場に出る技能実習制度とは異なり、留学生として来日するため数年間、日本語や介護の基本を学んだのちに現場で働く。そのため現場で言葉や文化の違いに戸惑うことが少ないとされる。
人手不足に悩む介護現場で外国人が働きやすく、そして「日本が選ばれる」ための手法として、いま注目されている。
ことし4月、新潟市の介護事業者とオンラインでつながっていたのはミャンマーの日本語学校。
彼らは介護現場で働くため日本への留学を希望する学生たちだ。この日、介護事業者と留学先となる専門学校による面接が行われていた。ここで選ばれた学生は在留資格を得て留学生として来日する。
【介護施設の人事担当】
「人事の面から見て、この人は本当に日本で長く働いてくれる人かどうか、介護に向いている優しい一面がある方に対しては、その方を採用したいと思っています」
急速に進む「少子高齢化」、県によると団塊の世代が後期高齢者となる2年後の2025年、県内で介護職員が4000人不足するとみられている。
職業別でみると将来的には「介護サービス」が最も不足するとされ、例えば「週4日必要なデイサービスに3日しか通えない」という状況が起こり得るという。
去年10月取材そこで必要となる外国人の労働力。しかし日本は長年賃金が上がっていないことや「円の価値」が下がっている影響で、外国人労働者の“ニッポン離れ”が進んでいるという。
【新潟医療福祉カレッジ・山田允宣学校長】
「ベトナムは正直なことを言うと募集をしても集まらなくなってきました。新潟を選んでくれないというか、申し訳ないけれども卒業したあとの給料が都会に比べると全然違うんですね、新潟は」
直面するのは大都市と、新潟など地方の賃金格差。大都市に比べ5万円から10万円ほど賃金が安い新潟は敬遠されるという。そこで、さらに平均賃金が安いミャンマーやネパールなど新たな国を開拓している。
【新潟医療福祉カレッジ・山田允宣学校長】
「ベトナムは新潟の給料は相場こうですよと言った瞬間に来なくなっちゃうんですよ。でもミャンマーは新潟の相場はこうですよと言っても、まだいっぱい来るので、そこの供給量は全然違うと思いますね」
さらに、ミャンマーは情勢が悪化していることもあり「日本行き」を希望する若者が多いという。
【ミャンマーの日本語学校・キンキン校長】
「ミャンマーは地方は安全じゃないです。日本はほかの国より安全だし技術も教えてもらえるから、いつかミャンマーに帰国するときも、こちらで活かせますので」
【ミャンマーで日本語学校に通う学生】
「日本は安全な国で技術も進んでいるし、自分の夢を実現できる国だと思います」
日本が「選ばれる国」であるため、介護現場でも試行錯誤が続いている。この春ネパール人留学生を含む4人が新たに加わった上越市の特別養護老人ホーム。この施設では移動を補助する機械を導入するなど職員の負担を減らす対応を進めている。
【ネパール人介護士】
「優しく声をかけながら介助する介護士になりたいです」
【別のネパール人介護士】
「職員と利用者に良い信頼関係を続けていきたい」
【特別養護老人ホーム・悠久の里 施設長・関原礼敏さん】
「少ない職員でもできるような工夫とか、テクノロジーを入れたりとかというのはもちろんですが、今回来てくれたような若い子たちとか、外国人の職員もちゃんと安定的に長く勤められるようにしていくことが、とても大事だと思います」
深刻な“担い手不足”という課題に、どう向き合っていくのか。異国の若者たちの力を借りるために様々な工夫が求められている。