東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之被告(79)=受託収賄罪で起訴=側への贈賄罪に問われた広告大手ADKホールディングス元部長の久松茂治(63)、元部長補佐の多田俊明(61)両被告の公判が19日、東京地裁(友重雅裕裁判長)であった。検察側は「大会の価値を踏みにじった」として、2人に懲役1年6月を求刑した。弁護側は執行猶予を求め結審した。判決は5月11日。
検察側は論告で「継続した金銭提供と引き換えに、電通の販売協力代理店に選任されるよう繰り返し働き掛けを依頼した」と指摘。「スポンサーを一社も獲得できない事態となるや、国内有数の広告代理店としての面目が丸つぶれになることを防ぐことに躍起になり、なりふり構わず実績作りを追い求めた」と述べた。
久松被告の弁護側は、関与したのは高橋被告とコンサルタント契約を結んだ半年後からで、元社長の植野伸一被告(69)の決定に追随したにすぎないと弁明。「理事に収賄罪が適用されると明確に認識する機会がなく、違法性の認識は相当に希薄だった」とした。
多田被告の弁護側は「植野、久松両被告と比べ、果たした役割や権限は小さい」と主張。罪を認めて捜査に協力した点を考慮するよう求めた。
起訴状によると、久松、多田両被告は植野被告と共謀し、高橋被告に便宜供与を依頼。2017年11月~22年1月に計約4700万円を提供したとされ、公訴時効が経過していないコンサル料計約1400万円分の贈賄罪で起訴された。
[時事通信社]