首相襲撃爆発物 破片60メートル先コンテナに 和歌山県警押収

岸田文雄首相が和歌山市の衆院補選の応援演説会場で爆発物を投げつけられた事件で、筒状の爆発物に付いていたとみられる破片が現場から約60メートル先のコンテナで見つかっていたことが、捜査関係者への取材で判明した。爆発物のふたとみられ、コンテナの側面に突き刺さった状態だったという。和歌山県警はこの破片を押収して詳しい分析を進めるとともに、爆発物の威力を調べている。
この事件では無職の木村隆二容疑者(24)=威力業務妨害容疑で逮捕=が15日午前11時25分ごろ、和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港でパイプ爆弾とみられる爆発物を演説会場に持ち込み、約10メートルの距離から岸田首相を狙って投げつけたとされる。木村容疑者は現場で地元漁師らに取り押さえられた。
県警によると、木村容疑者が爆発物を投げ込んだとされる現場から南東約40メートルにあるいけす(高さ約3メートル)の網の上で、破損した筒が見つかっている。そばにある倉庫の壁には何かがめり込んだ跡があるのも分かっている。
捜査関係者などによると、県警が現場周辺を詳しく調べた結果、さらに約20メートル先のコンテナ(高さ約2・3メートル)の側面に金属の破片が突き刺さっていたことが判明した。爆発した筒に付着していたふたの可能性が高く、県警が18日に押収したという。このコンテナは木村容疑者が爆発物を投げ込んだとされる場所から南東に約60メートルの位置にある。
コンテナの側面には、地上から約2メートルの位置に直径数センチの穴が残されていたことも判明。地元漁協の幹部らも立ち会い、破片がめり込んでいるのを確認したという。幹部は取材に、県警の捜査員から「これまで見つかっていなかった爆発物のふたとみられる」との説明を受けたと証言した。
事件当時は会場に約200人の聴衆が集まっていた。爆発に伴って破損した筒やふたが聴衆の間を通過していった可能性があり、県警が詳しい状況を確認している。会場では男性警察官が軽傷を負ったほか、聴衆の70代男性も背中に擦り傷が確認されている。【駒木智一、大塚愛恵、高良駿輔】