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宮古島付近の10人乗り陸上自衛隊ヘリコプター事故を巡り、海上保安庁の最大クラスの測量船「平洋」が18日未明、捜索現場の海域に到着し、沖縄周辺で初めてとなる捜索活動を実施した。行方不明の隊員4人や残る機体の発見に向けて、海保が「海面」から「海底」へ範囲を広げ、捜索態勢の強化を図る狙いがある。(東京報道部・新垣卓也、社会部・比嘉海人)=1面参照
「捜索強化のための『あらゆる手段』の一つが、大型測量船の投入だ」。平洋が捜索に加わった18日、自衛隊幹部はこう解説した。
事故発生から1週間がたった13日午後。防衛省制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長は定例記者会見で「今後あらゆる手段を投入して捜索を強化したい」と述べ、隊員の救助に力を尽くす考えを強調していた。
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会見から約7時間後の13日夜、自衛隊は伊良部島から北に約6キロ離れた水深106メートルの海底で、機体の主要部分や搭乗員とみられる姿を発見。海保関係者によると、自衛隊は翌14日にすぐ、大型測量船の捜索を海保に要請した。
18日の定例会見に臨んだ海上自衛隊トップの酒井良海幕長は「残りの機体の一部などが探知できるのではないか」と依頼した理由を説明。防衛省関係者も「機体の主要部分は見つかったが、一刻も早く全隊員を発見したい」と態勢強化による進展を期待する。
平洋は、海洋調査体制の強化などを掲げた2016年閣議決定の「海上保安体制強化に関する方針」に基づき、約154億円をかけて建造され、海保が20年1月、約20年ぶりに導入した4千トン級の測量船だ。
特徴の一つが、最大水深約1万1千メートルの海底地形を調べられる「マルチビーム測深機」。船底に備わっている機器から、海底に向けて音波を扇状に発し、反射してくる音波を基に地形を広範囲で把握できる。
海保によると、通常は日本海や東シナ海で海底地形の調査に当たっており、沖縄周辺での捜索活動に加わるのは今回が初めてという。
海保関係者は、平洋が水深200メートル以上を捜索する予定とし「海自艦艇に平洋も加われば、発見の確率は上がる」と強調。「これまでは巡視船による『海面』の捜索が主だったが、測量船の投入で『海底』の捜索も進める」と語った。