陸上自衛隊トップの森下泰臣陸上幕僚長は20日、沖縄県宮古島付近で発生した陸上自衛隊UH60JAヘリコプター事故に関連し、海底の機体引き揚げを早ければ4月下旬にも始めたいとの考えを示した。合わせて事故ヘリに搭乗していた坂本雄一第8師団長に代わり、21日付で青木伸一第11旅団長が就任すると明らかにした。
事故ではこれまでに海底で機体の胴体部分や搭乗者とみられる6人を発見。自衛隊と海上保安庁が残る4人の不明者の捜索を続けている。機体引き揚げは民間のサルベージ会社に委託する方針で、21日に入札を行って業者を決定する。森下陸幕長は「民間の知見、技術を含め、力をお借りして、早期かつ確実に、引き揚げるべく調整を進めている」と述べた。
潜水艦救難艦「ちはや」は現在、補給のため現場海域を離れているが、終了後に復帰し、深い海での作業を可能にする特殊技術「飽和潜水」を再開する。
また、森下陸幕長は、事故ヘリに搭乗していた宮古警備隊の幹部について、伊与田雅一隊長だと初めて明らかにした上で、後任の隊長に21日付で比嘉隼人第5施設群長が就くと発表した。坂本師団長と伊与田隊長の交代の理由については「厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、南西地域での任務遂行や部隊運営、捜索状況などを考慮し、総合的に判断した」と説明した。