入管暴行、国に22万円賠償命令=クルド人男性訴え、一部認める―東京地裁

東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容中に職員から暴行を受けたとして、トルコ国籍のクルド人男性デニズさん(44)が国に約1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、東京地裁であった。篠田賢治裁判長は一部制圧行為について「必要性や合理性は認め難く、違法だ」として、国に22万円の支払いを命じた。
判決によると、2007年に来日したデニズさんは難民申請が認められず、16年に入管施設に収容された。東日本センター移送後の19年1月、向精神薬の処方を拒まれて大声を上げ、処遇室で後ろ手に手錠を掛けられ制圧された。
篠田裁判長は判決で、警備官の一人があごの下を親指で20秒間押し込んだ行為について「落ち着かせようとしたものだが、相当強い痛みを与え、通常の措置とは認め難い」と指摘。デニズさんが痛みで声を上げる中、うつぶせにした状態で背中を押さえつけた行為も含め違法とした。
仮放免中のデニズさんは判決後に記者会見し「これは拷問だ。収容中に他にも見たことがある」と訴え、特別公務員暴行陵虐容疑で刑事告訴すると表明した。出入国在留管理庁は「内容を精査し適切に対応したい」とコメントした。
[時事通信社]