岸田首相襲撃、木村隆二容疑者宅から粉末や訴訟記録を押収…親「息子は政治に関心」

岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、和歌山県警が無職木村隆二容疑者(24)(威力業務妨害容疑で逮捕)の自宅から、被選挙権を巡って昨年6月に起こした国家賠償請求訴訟の資料を押収したことが捜査関係者への取材でわかった。訴訟では選挙制度や岸田政権を批判していた。県警はこうした主張の捜査が動機の解明につながるとみて、親族ら関係者への聴取を進めている。
県警は逮捕後の16日、兵庫県川西市にある木村容疑者の自宅を捜索した。捜査関係者によると、火薬の原料とみられる粉末などとともに、訴訟の記録も発見、押収したという。
木村容疑者は逮捕後の調べに「弁護士が来てから話す」と述べて黙秘したが、国選弁護人が選任された後も雑談にも応じていない。
県警は、動機などを解明するため、木村容疑者の親らから生活状況などを聞き取っている。親は「息子は政治に関心があり、裁判も起こしていた」などと説明しているといい、さらに詳しく状況を確認している。
木村容疑者は訴訟で、昨年7月投開票の参院選で公職選挙法の被選挙権(30歳以上)を満たさず、300万円の供託金も用意できないため立候補できないのは憲法に反すると主張。同年9月に行われた安倍晋三・元首相の国葬について「世論の反対多数の中で強行した」とするなど、政権批判も展開していた。
代理人弁護士をつけない「本人訴訟」で国に10万円の賠償を求めたが、同年11月に1審・神戸地裁の判決で請求は棄却された。大阪高裁での控訴審判決が今年5月に予定されている。