「暴力団の父が車を買えないことは知っていました。父がかわいそうなので私の名義を貸しました」
親思いの孝行娘かと思ったら、大物親分の父親に名義を貸し、代わりにローンを組んで車を購入していた。
娘の名前を使って約560万円の車を購入したとして、いずれも韓国籍で東京都立川市の住吉会系日野一家総長、高沢哲夫こと高偉哲(73)と、娘の中野有美子こと高有美子(43)両容疑者が8日、詐欺の疑いで警視庁多摩中央署に逮捕された。
昨年3月30日、高沢容疑者は近くに住む愛娘を連れて都内の自動車販売店を訪れた。販売店は暴力団関係者に車を販売しないことを表明していたが、高沢容疑者は反社会的勢力ではないことを示す書類に署名。自身が暴力団幹部であることを隠して娘名義で売買契約を結び、ローンを組ませて日常生活で使う自家用車を購入した。警視庁が別の事件を調べている過程で、高沢容疑者が娘の名前で車を購入していることが判明した。調べに対し高沢容疑者は「自分の名前で車を買えないことは知っていた。娘を乗せて走っている分には罪にならないと思ってた」と供述しているという。
「日野一家は立川市にある住吉会の2次団体で、高沢容疑者は7代目の総長です。もともとは博徒組織で、かつては組幹部が住吉連合傘下の組長らと共謀し、静岡県伊東市の高級ホテルで花札とばく『バッタまき』を開帳。一晩で20億円の賭け金を動かし、2億円のテラ銭を荒稼ぎして摘発されたこともあった」(捜査事情通)
暴力団員は暴力団対策法や暴力団排除条例により、自動車の購入だけでなく、活動が制限されている。
■携帯電話の契約、カード発行、ゴルフもダメ
携帯電話の契約や、不動産賃貸はできず、銀行口座の開設や、クレジットカードの発行、各種保険契約や、スポーツクラブの会員、公衆浴場、ゴルフプレーも禁止され、次々と組員が逮捕されている。
「半グレ」と呼ばれる若者たちはヤクザになっても、シノギに困り、おいしい思いができないことが分かっているから、正式な組員にはならない。組織側もそんな連中をうまいこと利用して、特殊詐欺やシャブ取引など、違法行為を繰り返している。