栃木県那須烏山市内の養豚場で2022年7月に発生した豚熱(CSF)について、飼養豚が多く死んでいたのに法律で必要とされる県への届け出を怠ったとして、県は養豚場を経営していた「神明畜産」(東京都東久留米市)と代表の男性を家畜伝染病予防法違反の疑いで県警に刑事告発した。告発は14日付。県警は同日、告発を受理し、25日に関係先の家宅捜索を行った。
この養豚場での豚熱について、県は昨年7月に「死亡頭数が増えている」などとする匿名のメールで事態を把握。情報提供を元に立ち入り検査を実施し、感染を確認した。その後、9月までに国内最多の約5万6000頭を殺処分した。
家畜伝染病予防法では、発熱や紫斑などの特定症状や死亡頭数の増加などが確認された場合、速やかに都道府県に届け出るよう定めているが、発生時にこの養豚場からの報告はなかった。県によると、養豚場側は当時「(届け出の必要が無い)熱中症や他の病気を疑っていた」などと説明したというが、県は調査を実施し、報告が必要だった可能性が高いと判断した。
25日の定例記者会見で、福田富一知事は「隠していたのではないかと推察できる状況だった。誠に遺憾だ。二度とこのようなことが起こらないよう、県内の畜産農家に飼養管理基準の順守、早期通報の徹底を指導する」と述べた。【玉井滉大、面川美栄】