ウィシュマさん妹「外国人の人権無視」 入管法改正案の衆院委可決で

賛否が渦巻く入管法改正案が28日、衆院法務委員会で可決された。不法滞在中の外国人の強制送還を進める狙いがあるが、日本で暮らす外国人の「排除」につながりかねないとの懸念も示されている。入管施設で2021年に死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の2人の妹たちは傍聴席から審議を見守り、「(姉の死を)検証しないで法案を通そうとするのは間違いだ」などと訴えた。
傍聴したのは、妹のワヨミさん(30)とポールニマさん(28)。通訳の説明を受けながら真剣な表情で審議を見守った。
ワヨミさんは難民申請中でも送還を可能とする改正案について「外国人の人権を無視し、尊重していない」と述べた。強制送還が容易になれば外国人家族が母国と日本で離れ離れになるとの指摘もあり「子どものことも考えて。子どもが親と分離されることはあってはなりません」と語った。
改正案は2年前にも国会に提出されたが、ウィシュマさんの死を巡って審議が紛糾し、廃案になった。ワヨミさんは今も姉の死の経緯に不信感を抱いており、「姉に何が起こったのかを検証しなければ再発防止はできない」と訴えた。
ウィシュマさんの悲劇の教訓は、今回の改正案に一部反映されている。体調不良を訴えていたウィシュマさんは2度、仮放免を申請したが、1度目は不許可となり、2度目の申請中に亡くなっていた。
改正案は仮放免のあり方を見直し、健康上の理由による仮放免請求の可否を判断するに当たっては「医師の意見を聴くなど、健康状態に十分配慮する」と明記された。斎藤健法相は衆院法務委員会の審議で「何としても再発を防ぐという覚悟で取り組んでいく」と述べた。【大場弘行、飯田憲】