河野デジタル相がネット民とコオロギ食バトル 反対派のよりどころはひろゆき氏のツイート

コオロギを巡って河野太郎デジタル大臣とネット民がバトルしている。河野氏は30日までにツイッターで「以前にもツイートしましたが、私も政府もコオロギ食の推進などしておりません。すべて悪意のあるフェイクニュースです」と訴えた。自身がコオロギ食推進派と思われていることに異論を唱えただけでなく、批判的な書き込みを見つけては注意して回っているのだ。
コオロギなど昆虫食は近年、食糧問題の解決になるなどとして注目を浴びていた。しかし、今年に入り、「無理やり食べさせるな」「危険だ」と炎上を呼ぶことが多くなっていた。
騒動は河野氏にも飛び火した。河野氏は約1年前にベンチャー企業の会合で乾燥コオロギを試食していたのだが、この時の記事が発掘され、今になってコオロギ食推進派として批判的に取り上げられるようになっていた。
河野氏は自身を批判するツイートを見つけては、「フェイクニュースとわかっているものを故意に拡散した場合には、法的措置が取られることもあります。お気をつけください」とリプを繰り返していた。それだけ我慢がならんというわけだ。
昆虫食への批判はネットを中心に多い。昆虫食業界関係者は「ある昆虫食業者はグーグルの口コミの評価で散々な書かれ方をしていました」と明かした。
特に昆虫食反対派への影響が大きかったのが、インフルエンサー。とりわけ2ちゃんねる開設者で実業家のひろゆき氏のツイートは反対派の心のよりどころになっているという。
ひろゆき氏は今年2月27日のツイートで「昔から食べられてるイナゴやざざ虫以外の虫には、謎の寄生虫や細菌や毒がある可能性があるので食べちゃダメです」と指摘していた。
さらに翌28日にも「人間が食べてない虫は、寄生虫や雑菌やアレルギーやら何が起こるかわからないので、食べちゃダメです」と、なめくじを食べて寄生虫に感染して人が死んだことを伝える海外ニュースを引用して危険を訴えていた。
「ひろゆき氏の影響力は大きい。本来、知識があるはずの人だと思いますが、生のなめくじと調理する虫を同じにしてしまっている。そりゃ生で食べてはいけないに決まっています。でも『ひろゆき氏が言うならそうなんだ』と思ってしまう人がネットには何万何十万といるんですよ」(同)
昆虫食に携わる人にとってはインフルエンサーの影響力は無視できないという。河野氏もツイッターで「ただ、コオロギを将来、タンパク質として利用しようと頑張っている日本のスタートアップ企業があります。悪意のあるフェイクを広めることが、そうした努力に与えている影響も考えてください」と行き過ぎた批判を控えるよう求めていた。
結局、食べたい人は食べて、食べたくない人は食べなければいいのだ。